チェーンプロンプトの概念と作り方

チェーンプロンプトの概念と作り方

チェーンプロンプトとは、まるでしりとりのように、前の質問の答えを使って次の質問を作ることで、AIとより深く、より詳しい話ができるようになるテクニックです。

AIとの会話をスムーズに進め、最終的な目標にたどり着くための「道しるべ」のようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。

チェーンプロンプトの概念(なぜ使うのか?)

私たちはAIに一度にたくさんの情報を与えても、うまく理解してくれないことがあります。例えば、「〇〇について調べて、そのメリットとデメリットを教えて、さらに今後の展望についても説明して」と一度に聞いても、AIは戸惑ってしまうかもしれません。

チェーンプロンプトは、この「一度にたくさんの情報を与える」のではなく、

  1. まず基本的なことを聞く
  2. その答えを使って、さらに詳しいことを聞く
  3. さらにその答えを使って、もっと深く掘り下げる

というように、段階的に質問を重ねていくことで、AIが理解しやすくなり、私たちも欲しい情報をより正確に引き出すことができるようになります。

例えるなら、初めて訪れる土地で道を聞くときに、

  • 「目的地までどう行けばいいですか?」と一気に聞くのではなく、
  • 「まず駅はどこですか?」
  • 「駅に着いたら、次は何に乗ればいいですか?」
  • 「降りる駅はどこですか?」

というように、順番に質問していくことで、最終的に目的地にたどり着くのと同じです。

チェーンプロンプトの作り方(どうやって作るのか?)

チェーンプロンプトを作るには、以下のステップを意識すると良いでしょう。

  1. 最終目標を明確にする: 最終的にAIからどのような情報を引き出したいのか、何を知りたいのかをはっきりさせます。

    • 例:「新しい製品のマーケティング戦略をAIと一緒に考えたい」
  2. 最終目標を達成するための小さなステップに分解する: 最終目標を達成するために、どんな情報が段階的に必要になるかを考えます。

    • 例:
      • ステップ1:新しい製品のターゲット層を特定する。
      • ステップ2:ターゲット層に響くメッセージを考える。
      • ステップ3:効果的なプロモーション方法を検討する。
  3. 各ステップに対応する質問(プロンプト)を作る: 分解した各ステップに対して、AIに尋ねる具体的な質問を作成します。このとき、前の質問の答えを次の質問に活かすことを意識します。

    • ステップ1のプロンプト例: 「新しい製品は[製品名]です。この製品の主な特徴は[特徴]です。この製品が解決する問題は[問題]です。この製品を使うことで、どんな人に一番喜んでもらえそうですか? その人の年齢層、興味、普段の生活などを具体的に教えてください。」

    • ステップ2のプロンプト例(ステップ1の答えを使う): 「前の質問であなたが教えてくれた[ターゲット層の特徴]を持つ人たちに、この[製品名]の魅力を最も効果的に伝えるには、どのような言葉を使えば良いでしょうか? 特に、[ターゲット層の悩み]を解決できる点に焦点を当てて、いくつかのキャッチフレーズを提案してください。」

    • ステップ3のプロンプト例(ステップ2の答えを使う): 「前の質問で提案してくれたキャッチフレーズの中から、[最も気に入ったキャッチフレーズ]を使って、[ターゲット層]に[製品名]を届けるには、どのようなプロモーション方法が効果的でしょうか? SNS、広告、イベントなど、具体的なアイデアをいくつか教えてください。」

このように、前の質問の答えを「材料」として次の質問を組み立てていくことで、AIはより的を絞った、質の高い情報を提供してくれるようになります。

まとめ

チェーンプロンプトは、AIとの会話を「しりとり」のように繋げていくことで、最終的に私たちが本当に欲しい情報を、段階的に、そして効率的に引き出すための強力な方法です。

難しく考えずに、**「AIに何を、どの順番で聞けば、一番良い答えがもらえるだろう?」**という視点で質問を組み立ててみましょう。