大学などで情報教育に携わっている私も、学生たちにレポートを書いてもらう機会は多い。しかし実際には、自律的に調べ、情報を整理し、レポートとしてまとめる作業に十分慣れていない学生が少なくない。
本来レポートとは、ある研究対象についてリサーチを行い、自分なりに論点を整理し、その結果を文章としてまとめるという一連のプロセスを踏むものだが、その手順自体を説明しなければ、「何から手をつければよいのか分からない」という状況に陥ってしまうことが多い。
この状況そのものが、現代の教育が抱える課題を含んでいるとも言える。ただし、ここではその是非を論じるのではなく、現状を現状として受け止めたうえで、AIを活用しながらレポートを作成するための基本的な手順を整理していく。
また、現在、多くの学校ではで「生成AIの利用方針」が定められています。まず自分の学校のルールを確認してください。
1. レポートの趣旨を明確にする
通常、レポートには学校や教員から提示された趣旨やテーマが存在する。今回は例として、次のような課題が与えられたと仮定する。
「AIの影響による新規雇用率の変化およびレイオフの実態について、EU各国、アメリカ、日本を比較せよ」
このように、まずは「何について」「どの範囲を」「どのような視点で」扱うのかを正確に把握することが出発点となる。
2. レポートの基本構成を考える
ここで注意したいのは、提示されたお題をそのまま入力して、いきなりDeep Researchなどで調べ始めないことだ。最初から答えだけを得ようとしても、それは学習にはつながらない。
そこで必要になるのが、論旨を整理するための下準備である。具体的には、レポート全体の構成となる見出しや章立てを先に考える作業だ。
レポートは「何を、どの順番で、どのように論じるのか」を設計してから調査を行うことで、情報の取捨選択がしやすくなり、論理の一貫性も保たれる。
以下に、その構成案のサンプルを示す。
#タスク:大学のレポートを#制約以下の制約を設けた上で、#テーマ以下の文章をそのテーマとして見出しのみで構成したテキストを出力してください。
#制約
*立場;日本の大学の情報学科に所属する学生(実名の学校名など入れてもよい)
*目的:大学授業の課題制作
*構成:序論、本文、まとめなどの論文的構成
#内容:AIの影響と考えられる新規雇用率の変化及びレイオフの実態をEU各国及びアメリカと日本との比較(ここを改変)
2-1上記プロンプトで書き出した結果
以下は上記プロンプトで書き出した結果です。
これで大まかな構成ができました。これら構成を一旦メモ帳などにコピーします。そのうえで修正すべき点があれば修正してください。
2-2、各見出しごとの記事を生成
これら見出しを元にページ構成を確定させます。今回はAIが提示した形で作りましょう。そのために各章ごとに別々別に生成させていきます。基本は同じスレッド内(同じ質問内)で行ってください。ここからはおおむね簡単なプロンプトで問題ないと思います。
プロンプト
以下の項目に関してより詳細な内容を生成してください。その内容に関しては実例などが必要な場合はその数値データなども提示してください。
(以下に生成対象見出しを書いてください)
序論
AI技術の急速な発展と雇用構造変化の問題提起
情報学を学ぶ学生としての問題意識
本レポートの目的と比較対象(EU各国・アメリカ・日本)の位置づけ
生成結果
これらを基本としてすべての各章を生成させていきます。
3.Microsoft Wordなどへの転記
これら原稿を元にWordにコピーして元原稿を作ります。ここではGoogleドキュメントにて生成させます。
このレがレポートの基礎原稿となります。
この時点ではまだ完成ではありません。まずはこれら元原稿を読み込んでください。その上で不足する情報、不要だと思える情報を整理します。
特に最後のまとめは、自分の言葉で書いてください。それができなければ、これら作業は単なる作業となり、皆さんの知識にやスキルにはなりません。つまり、無駄な時間を過ごしているだけです。
5.最終的な編集
先に生成下文章と、DeepResarchにて生成した文章を突き合わせ、補足できる部分は補足して原稿の質を向上させます。必要な部分には図解などGeminiNanoBananaPro などを利用して挿入してください。
これら情報を下に、最終的に編集を行います。形式として「扉」「本文」「引用」などで構成するべきであり、各章の内容を生成する際に、引用ページなどを記録しておくことをおすすめします。
最終的な提出データをリンクします。こちらを参考にしてください(引用部分は完成していません)
6.採点する側における対応について
このように学生のみなさんがAIを活用することは、すでに常識となりつつあります。そのため、私たち教師側も成績評価のあり方について、方針の転換を迫られているのが現実だと感じています。従来のようにレポートだけで評価を行う方法では、学生たちの実力を正しく測ることが難しくなってきました。
このため、レポートにおける評価基準の見直しや、レポートに過度に依存しない新たな評価方法を確立する必要があるでしょう。私たち教師もまた、この変化の中で対応力や判断力を試されているのかもしれません。






